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週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断

デザイナーズ物件に潜む落とし穴/25

自分の好みが他人にも好まれるとは限らない(本文とは関係ありません)
自分の好みが他人にも好まれるとは限らない(本文とは関係ありません)

 テレビや雑誌では、個性的な間取りやデザインの家がよく紹介される。建売住宅ではなく、自分だけのオリジナルな家を建てたいというニーズはいつの時代にもある。こうした「デザイナーズ住宅」と呼ばれる家は魅力があるが、実は注意が必要な点も多い。

 例えば「軒がない建物」。建物から屋根が伸びている部分を「軒」と言うが、軒をなくしてフラットな外観を追求している建物をよく見かけるだろう。都心部では敷地が狭いところに境界線ギリギリまで建物を建てるため、仕方なくこのような形状になっている場合も多い。軒がないと「雨漏り」の可能性が増える。軒先の出が少ない分、吹き込んでくる雨にめっぽう弱いのだ。都内の高級住宅地に建つ数棟のデザイナーズ住宅が、一斉に雨漏りした事例もある。軒がないことで外壁は雨を直接受けるため、劣化も早い。

「形状が複雑すぎる建物」も問題が多い。建物の形はシンプルな直方体がベスト。複雑になればなるほど外壁や屋根の表面積が増えるので、それだけ雨漏りの可能性も増える。

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