週刊エコノミスト Online不動産コンサル長嶋修の一棟両断

持ち家信仰がもたらしたもの/26

かつての新築大量供給は空き家問題へと姿を変えた
かつての新築大量供給は空き家問題へと姿を変えた

「日本には昔から持ち家信仰がある」とよく言われるがそれは幻想だ。戦前の東京の持ち家率は10%台、大阪は9%程度、都市部全体で見ても20%強だったと言われる。もっとさかのぼれば江戸の頃はほとんどが借家。一方で地方の持ち家率は比較的高かった。都市部における持ち家信仰は、戦後の高度経済成長期という、極めて短期間で形成されたのである。

 日本は敗戦で焼け野原になったあと、奇跡的な経済復興を遂げ、一気に先進国の仲間入りを果たす。鉄鋼・石炭などにヒト・モノ・カネを投入して産業復興の糸口を見いだし、朝鮮戦争による経済特需を経て、20年ほど続く高度経済成長期に入る。GDP(国内総生産)が年平均10%で成長した時代だ。

残り944文字(全文1247文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事