週刊エコノミスト Online不動産コンサル長嶋修の一棟両断

持ち家信仰がもたらしたもの/26

    かつての新築大量供給は空き家問題へと姿を変えた
    かつての新築大量供給は空き家問題へと姿を変えた

    「日本には昔から持ち家信仰がある」とよく言われるがそれは幻想だ。戦前の東京の持ち家率は10%台、大阪は9%程度、都市部全体で見ても20%強だったと言われる。もっとさかのぼれば江戸の頃はほとんどが借家。一方で地方の持ち家率は比較的高かった。都市部における持ち家信仰は、戦後の高度経済成長期という、極めて短期間で形成されたのである。

     日本は敗戦で焼け野原になったあと、奇跡的な経済復興を遂げ、一気に先進国の仲間入りを果たす。鉄鋼・石炭などにヒト・モノ・カネを投入して産業復興の糸口を見いだし、朝鮮戦争による経済特需を経て、20年ほど続く高度経済成長期に入る。GDP(国内総生産)が年平均10%で成長した時代だ。

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