週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
経済停滞でも地価高騰の「不可思議」/27
有料記事
バブル崩壊をきっかけに「失われた20年」を過ごした日本経済はその後、金融危機やデフレに対し、後手の対応策に終始した。大震災にも幾度か見舞われ、経済の成熟化や少子高齢化を見据えた未来について、産業構造の転換など有効な手を打てなかった。それでも、足元では株価や都心部の地価が高水準で推移する不可思議な状況が続いている。
改めてバブル以降と足元の日本経済の状況を振り返ってみると、1989年には世界企業の時価総額トップ50のうち32社を日本企業が占めていたが、2018年はトヨタ自動車1社のみと大きく立ち遅れている。19年10月には消費増税が行われたが、経済産業省の「商業動態統計」(確報)によると、10月の商業販売額は前年同月比8・7%減、うち小売業は7・0%減と大幅なマイナスとなり、個人消費の低調に拍車をかけている…
残り869文字(全文1227文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める