ネット通販専業の高級ブランド 高級素材の「高コスパ」で好調=岩下祐一
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中国の消費市場は“昇級(アップグレード)”が進み、価格と価値のバランスを重視する目利きの消費者が増えている。アパレル業界でそれを象徴するのが、アリババが運営するCtoC(個人間取引)のネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」を販路とする高級レディースブランドの健闘だ。
昨年後半からファッション市況が悪化し、地元のアパレルブランドの多くが苦戦しているが、タオバオ専業の高級レディースは例外だ。「百貨店アパレルへの販売は厳しいが、ネット通販の顧客向けは伸びている」と、日系大手生地商、双日奔時代〈上海〉の山脇文博総経理は話す。
タオバオ専業の高級レディース大手は「戎美」「小虫」「茉莉雅集」「D家」などで、フォロワー数は200万〜300万人前後。アリババのBtoC(企業・個人間取引)サイト「天猫(Tモール)」に出店する高級レディースを大きく上回る。これらはアリババがTモールの運営を本格化した2009年以前の07、08年に設立された。「たくさんのブランドが生まれたが、生き残っているのはごくわずか」とD家を手掛ける上海遞加時…
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週刊エコノミスト
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