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台湾 弾圧の史跡で「恋愛の自由」展=井上雄介

記念館はかつての警察署。左後方は現警察署(筆者撮影)
記念館はかつての警察署。左後方は現警察署(筆者撮影)

 台湾を代表する観光地、台北の大稻埕(だいとうてい)地区にある「台湾新文化運動記念館」が開館1周年を迎え、「自由恋愛・日本統治時代におけるロマンス」展を始めた。1920年代、日本統治下でモダニズムの時代を迎えた台湾社会。結婚相手は親が決めるとの伝統的な観念に反逆し、恋愛の自由が叫ばれ始めた。展示は、当時の台湾の思想や風俗を、写真や雑誌、書籍などを使って回顧している。

 個人の意志を尊び、恋愛の自由を叫ぶ背景には、民権運動の高まりがあった。台湾史上最も著名な民権活動家、蒋渭水医師らが21年に台湾文化協会を結成し、「新文化運動」を率いた。蒋は27年に政党「台湾民衆党」を結成。総督府に危険視され、十数回も逮捕されている。

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