教養・歴史書評

『郵政民営化の政治経済学 小泉改革の歴史的前提』 評者・平山賢一

    著者 伊藤真利子(平成国際大学准教授) 名古屋大学出版会 5400円

    巨大化から民営化へ 戦後政治経済への影響分析

     本書は、政治だけでなく金融市場に影響を与えてきた郵政が、どのように膨張し、金融自由化の荒波の中で国債問題に対峙(たいじ)し、そして民営化に至るかの道程を詳述する。従来、部分的な議論が多かった郵政についての課題を、総合的に捉え直し、改めて「郵政とは何だったのか?」を問うものである。

     郵政を語る上で無視しえないのは、戦前を淵源(えんげん)にもつ定額貯金だ。本書は、この定額貯金と金融…

    残り983文字(全文1230文字)

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