世界経済好転で優位に立つ日本株=渡辺浩志
世界経済に好転の兆しが見えてきた。2018年初から世界の景況感を悪化させてきた半導体需要の不振は、約2年の周期的な調整局面の終盤にある。第5世代移動通信システム(5G)の本格運用に向け、半導体需要はいま、力強く立ち上がろうとしている。
世界経済に先の見えない不安感をもたらしてきたトランプ米大統領の対中政策も、大統領選が近付くなかでいくらか見通しが晴れてきた。米中間の関税合戦による世界貿易の縮小や、技術覇権争いによる世界的な設備投資の萎縮は最悪期を過ぎつつあるようだ。
中国では貿易戦争の長期化に備えた拡張財政、金融緩和、元安容認の景気刺激効果が見え始めた。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気後退リスクに対処すべく19年夏から行ってきた予防的利下げの効果が半年を経て、米景気を押し上げる時期に入る。
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週刊エコノミスト
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