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週刊エコノミスト Online ワイドインタビュー問答有用

二足、三足のわらじ=迫田邦裕・循環器内科医、エムエス製作所副社長/776

写真1 「ものづくりのこだわり、緻密さ、繊細さをゴルフに持ち込みたい」撮影=蘆田 剛
写真1 「ものづくりのこだわり、緻密さ、繊細さをゴルフに持ち込みたい」撮影=蘆田 剛

 自動車部品の金型メーカー「エムエス製作所」(愛知県清須市)副社長として、金属加工技術を駆使した高級ゴルフクラブの開発を主導する傍ら、心臓カテーテル手術の専門医としても活躍。毎週、大分、名古屋、東京を行き来する。

(聞き手=岡田英・編集部)

「医師、家業、子育て、全部やればいいと思った」

「製造業のコスト意識を医療に持ち込めば、社会保障費は下がる。二つの仕事が融和すればよい」

── 「エムエス製作所」の副社長として、ゴルフクラブの高級アイアン「MUQU(ムク)」の開発を主導し、2018年12月から6本セット216万円で受注販売を始めました。なぜ畑違いのゴルフクラブの開発に乗り出したのですか。

迫田 エムエス製作所は、自動車のドアや窓の回りに取り付ける雨漏り防止のゴム製品「ウェザーストリップ」の金型を製作する会社です。祖父が1971年に創業し、現在は父(幸博さん)が経営しています。でも下請けなので、金型ってどんな技術なのか、世の中に知られていない。自動車産業がこの先どうなるか分からない中、業界内に閉じ籠もっていたら、いずれじり貧になってしまいます。

 そこで、身近なもので、自分たちの技術を広く知ってもらう手段の一つとして、高級アイアンを開発しようと考えました。金型の仕事は車のモデルチェンジがないと発生しないので、「山」と「谷」の落差が大きく、「谷」の時期に、自分たちで加工できる商品があれば経営も安定するかもしれないという狙いもありました。

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