教養・歴史書評

『〈賄賂〉のある暮らし』『ネクストシリコンバレー』『中国の行動原理』『エンジェル投資家とは何か』

『〈賄賂〉のある暮らし』 岡奈津子著 白水社 2200円

 冷戦終結から約30年が過ぎたカザフスタン。市場経済化して成長が続く一方で賄賂が蔓延(まんえん)する内情を研究者が綿密な調査で明かす。入学や就職、裁判、医療とあらゆる場面で人々が解決を急ぎ、従来のコネに加えて“袖の下”に頼るようになった。受け取る側も当然視し、その一部を上司に納めてトラブルを回避。そんな親たちを見て育った若者は何でも金で事を済ませる生活に罪悪感を覚えない。豊かになることの意味を再考させられる秀逸な報告だ。(W)

残り732文字(全文975文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事