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教養・歴史 書評

掲載総数、6762回 「折々のうた」の偉業=孫崎享

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 文学であれ、絵画であれ、創作活動は作品が出たからといって、即、評価されるものではない。今日その作品が最も高価に取引されているゴッホは、生前ほとんど売れていないし、モディリアーニの作品は2018年に1億5700万ドルで取引されているが、生前画家としての成功は収めていない。画廊の努力や評論などの積み重ねの上に今日の名声がある。

 私とて少しばかりの本を出しているが、販売部数と、人々の言及には見事な相関関係がある。俳句も同様で、芭蕉(ばしょう)の時代を経て一時停滞したのを、正岡子規が俳句の良さを指摘し、今日の隆盛につながっている。

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