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EU版「持続可能な経済活動リスト」 気候中立への動きは不可逆的な段階=金子寿太郎

    フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長 Bloomberg
    フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長 Bloomberg

     昨年12月初めに発足したフォンデアライエン欧州委員会体制の最優先政策は、気候変動対策である「グリーンディール」である。EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会は12月11日、2050年までにEUで温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするとの目標を掲げる政策文書案を公表した。ここでは、30年の温室効果ガス排出削減率を従来の40%から50~55%に引き上げるという中間目標も示されている。

     気候中立な経済社会への転換を実現するには、巨額の開発・助成資金が必要である。欧州委員会は、当面毎年2600億ユーロ(18年の域内GDP〈国内総生産〉の約1・5%に相当)の追加投資が必要との試算に基づき、今後10年間で官民合わせて少なくとも1兆ユーロ(約122兆円)規模の投資を行うと、今年1月14日に公表した。化石燃料への依存度が高い加盟国に再生可能エネルギーなどの開発・利用を促すべく、「公正な移行基金」を通じて資金援助するほか、化石燃料セクター従事者の転職支援などを行う予定である。

     欧州委員会は、セメント製造などの産業セクターに対し、国境炭素税を21年までに導入することも予定している。この税は、温暖化対策をしている国が自国並みの対策を講じていない国からの輸入品に対し、対策コスト分を関税に上乗せすることで、公正な競争環境を担保する仕組みである。

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