教養・歴史書評

『ポバティー・サファリ イギリス最下層の怒り』 評者・浜矩子

著者 ダレン・マクガーヴェイ(作家、ラッパー) 集英社 2400円テーマパーク感を排しリアルに徹した観察眼

 ポバティー・サファリ。いいタイトルだ(直訳すれば「貧困見物旅行」か)。

 さぁさぁ、皆さん。本日は貧困ランドにご案内いたします。貧困問題のテーマパークでございます。しかも、この貧困ランドはサファリパークのスタイルを取っております。生きた貧困。動く貧困。その実態を目の当たりにご覧いただくことができます。ただし、危険ですから、くれぐれも乗り物の外に出たり、窓を開けたりはなさいませんように。

 これではいけない。貧困は見世物じゃない。エンタメじゃない。テレビの前の安全地帯から眺めて、深刻な顔をしていればいいってものじゃない。筆者がそれを叫ぶべく声を上げた時、自分のしゃべりの中から、この「ポバティー・サファリ」の一言が滑り出たのだという。

残り791文字(全文1162文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

2月14日号

どうする?どうなる?日銀大検証16 岸田政権「インフレ抑制」へ 10年ぶり総裁交代で緩和修正 ■浜田 健太郎19 インタビュー 軽部謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト 日銀が甘くみた内閣の力 「安倍1強」に内部ひょう変21 「 ガラパゴス」日銀 市場機能をマヒさせた「看守」 低金利慣れの財政に大打撃 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事