週刊エコノミスト Online書評

古代地中海文明に浸る 「知の巨人」の旅行記=本村凌二

     この40年ほどの間、ほとんど毎年のように遺跡めぐりをしている。大方は専門研究の対象である地中海沿岸地域であり、オリエント、ギリシア、ローマの古代遺跡がある。この古代地中海文明を専門ならざる「知の巨人」と呼ばれる人が見たとき、いかなる感慨をもつのだろうか。

     立花隆著(写真/須田慎太郎)『エーゲ 永遠回帰の海』(ちくま文庫、1000円)は、エーゲ海周辺の地域を40日間かけて車で8000キロ駆けめぐった取材旅行の記録である。

     著者はなんとしてもギリシア北部のアトス半島の修道院自治共和国を訪ねたかったが、入国許可書と滞在許可書をもらわなければならなかった。聖山アトス全体には20の修道院があり、かつては4万人の修道士がいたが、今では1000人余りの修道士しかいないという。ここでギリシア正教の世界にふれ、これまでドストエフスキーを読みちがえていたのではないかと思ったらしい。

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