教養・歴史書評

相次ぐ書店閉店に、マージン増の提言=永江朗

 丸善ジュンク堂書店は、ジュンク堂書店の京都店とロフト名古屋店を2月29日で閉店すると発表した。閉店の理由について、両店のサイトでは「残念ながら閉店することになりました」「年々厳しくなる書店事情のなか」(京都店)、「誠に勝手ながら」(ロフト名古屋店)といった文言しか見つからない。

 ただ、京都店は500メートルほど離れたところに倍以上の売り場面積を持つ丸善京都本店があるし、名古屋市内にもジュンク堂書店名古屋店と同名古屋栄店、丸善名古屋本店と同名古屋セントラルパーク店がある。書籍・雑誌の市場収縮が続くなか、共食い状態を避けたいのだろうと推測できる。

 京都市民からは惜しむ声が聞かれる。メインストリートである四条通に面した路面店でランドマーク的存在だった。また、かつて駸々堂(しんしんどう)書店京宝店(河原町通六角)が大型店として京都市民に親しまれていたが、2000年に経営破綻して閉店。その原因のひとつは1988年に開業したジュンク堂書店京都店との競合だったといわれる。“勝者”のジュンク堂書店も姿を消す。18年1月には四条通河原町のブックファース…

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