浸水リスクで変わる不動産評価/32
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令和元年は台風15号や19号が日本各地に甚大な水害をもたらした。今年も昨年並み、あるいはそれ以上の台風や集中豪雨が発生するとみておいたほうがいいだろう。
自治体のハザードマップを確認して「洪水浸水想定区域」に建物がある場合は要注意だ。洪水を想定して基礎を高く設定するなどの工夫が施されていればいいのだが、建物の容積率を稼ぐ目的で、地下や半地下を備えた一戸建てやマンションも多数存在する。用途地域が「住居系」の場合、10メートルの高さ制限があることが多く、少しでも階数を稼いで販売面積を増やすために地下を掘っているケースが多い。こうした物件はゲリラ豪雨に見舞われれば浸水は確実だろう。
では浸水の懸念がある不動産は価格にどのような影響があるだろうか。洪水浸水想定区域などを不動産業者側が説明する義務はない。そのため現時点では、不動産価格に直接反映され、金融機関の担保評価に影響を与えることはない。
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週刊エコノミスト
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