今週のポイント 1月の貿易統計(2月19日) 米国向け輸出は持ち直すか=上野剛志
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財務省の貿易統計によると、2019年の日本の輸出額(確報)は前年比5.6%減と、3年ぶりの前年割れとなった。秋にかけて米中貿易摩擦が激化し、世界経済が減速したことが輸出の重荷になったためだ。仕向け先別では、貿易摩擦の影響を強く受けた中国向けが前年比7.6%減と、米国向け(同1.4%減)やEU向け(同2.8%減)に比べて著しい落ち込みを示している。
一方、最近の月次動向は様相がやや異なる。12月の輸出額は前年比6.3%減で13カ月連続のマイナスとなったが、中国向けは同0.8%増と10カ月ぶりに増加に転じた。ITサイクルの持ち直しを受けた半導体関連の急回復が寄与したためであり、明るい動きと言える。一方で米国向けはマイナス幅が前年比14.9%減まで拡大しており不振。米国内の設備投資や自動車販売低迷によって、自動車関連や資本財の輸出が落ち込んだ。…
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