週刊エコノミスト Online資産作りの新常識

資産配分を考える=正岡利之/6 

(出所)G.P.Brinson,L.R. Hood,G.L.Beebower_
(出所)G.P.Brinson,L.R. Hood,G.L.Beebower_"Determinants of Portfolio Performance"1986を基に三菱UFJ信託銀行が作成

 投資の段取りとして、株式の銘柄など金融商品の選択から始める人が多い。しかし分散投資を目指すのであれば、パフォーマンスに対する影響が大きいのは個別銘柄の選択よりむしろ内外の株式や債券といった大くくりの資産区分ごとの保有比率、つまり資産配分である。

 米国の年金基金を対象とした実証研究によると、リターンの変動の9割以上は資産配分で決まっている(図1)。個別銘柄の選択による影響は6%程度に過ぎない。

 長期的にポートフォリオ(資産の組み合わせ)として保有するなら、パフォーマンスに対する影響度合いが大きい要因から押さえていくのが賢い方法だ。最初に資産配分を決めて、次にその配分に従って個別の銘柄を選択する。「全体」から考えて「部分」に至るという発想だ。

残り730文字(全文1054文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事