理想の画材を求めて=アラン・ウエスト 日本画家/782
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草木の美しさを描くにはどうすればいいのか──。理想の画材や技法を追い求めた若い画家が、たどり着いたのは日本だった。それから40年。新たに吹き込んだ風は、日本画の世界に刺激を与え続けている。
(聞き手=大宮知信・ジャーナリスト)
「床の間が欲しくなるような絵を描きたい」
「人の好みに合わせるのなら、公募展に出品して入選するより、購入してくれる人に合わせたい」
── 来日して40年、また東京都台東区谷中にギャラリー兼アトリエ「繪処(えどころ)アラン・ウエスト」を開いて20年になります。
アラン 海外のガイドブックに載るようになって、日本の観光客だけでなく外国人も増えました。今年は東京五輪がありますから、見に来るお客さんが増えるでしょうね。ここで販売している掛け軸や版画などには値段を付けていますが、売るというよりも一つの作品の例として展示しています。買わなきゃいけないというプレッシャーを感じると面白くないですよね。ここは入場料のない美術館と思ってもらえればいいんです。
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週刊エコノミスト
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