教養・歴史書評

『大学はもう死んでいる?トップユニバーシティーからの問題提起』 評者・将基面貴巳

    著者 苅谷剛彦(オックスフォード大学教授) 吉見俊哉(東京大学大学院教授) 集英社新書 900円

    知識伝達型から思考型へ 大学改革に向け徹底討論

     本書は、オックスフォード大学教授の苅谷剛彦氏と東京大学教授の吉見俊哉氏が現代世界と日本における大学問題を率直に語り合った記録である。センセーショナルな書名とは裏腹に、特に現代日本の大学が抱える諸問題を冷静にえぐり出し、克服すべき課題と指針を見事に示している。

     欧米に比べて後発型の近代社会である日本は、苅谷氏のいう「キャッチアップ型」人材育成に大学教育の重点を置いてきた。欧米に「追いつく」ためには幅広い最新の知識を効率よく伝達することを重視してきたというわけである。しかし、こうした伝統に立脚する日本の大学教育の内容こそが、現在問い直されねばならないと本書は力説する。

    残り823文字(全文1180文字)

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