教養・歴史書評

『秘密資金の戦後政党史』『2030年の第4次産業革命』『超限戦 21世紀の「新しい戦争」』『内戦と和平』

『秘密資金の戦後政党史』 名越健郎著 新潮選書 1500円

 冷戦時代、主要政党が超大国から秘密資金を受け取っていた。長年ソ連とロシアを取材し続けた著者が米露の膨大な公文書を探り、日本政治の恥部を浮き彫りにした労作だ。政情安定へ幹部自ら露骨に援助を求める自民党に、日本を反共の砦(とりで)にしたい米国も協力。対峙(たいじ)すべき民社や社会、共産の各党も同じ姿勢だった。与野党がそろって国家主権にかかわる法律違反を意図的に犯していた事実は、対外追従で思考力不足の戦後政治を象徴しているようで悲しい。(W)

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