週刊エコノミスト Online編集後記

種市房子/下桐実雅子

編集部から

 政府は、経済産業省、財務省、外務省などのコンビニエンスストアで、利用客にどのような仕掛けをすれば、レジ袋辞退に導けるのか実証実験を行った。「レジ袋を辞退するか否か」を表明するカードの文言や提示法を店ごとに変えて、辞退率の高い方法を探る。

 この「仕掛け」とは、自主的に望ましい政策に導く行動経済学上の「ナッジ」を指す。しかし、レジ袋削減の音頭を取る経産省の店では、元々辞退しようという心がけの人が多いのではないか。特定集団に先入観が入り込んでいるように見える。

 政府はエビデンスに基づいた政策立案(EBPM)を標榜(ひょうぼう)するが、有効なデータをデザインするのは難しい。昨年のノーベル経済学賞を受賞したランダム化比較試験(RCT)でも、いかに「雑音」のないデータを生成するかが命題だ。ナッジの流行に乗ってはいるが、検証法に難ありでは……。

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