教養・歴史書評

『日本のセーフティーネット格差 労働市場の変容と社会保険』 評者・柳川範之

著者・酒井正(法政大学教授) 慶応義塾大学出版会 2700円

複雑な社会保障問題を整理 「第二のセーフティーネット」提唱

「国民皆保険」はわが国の誇るべき特徴だとされてきたが、実際にはたとえば2割にのぼる国民健康保険の未納者がいる。「皆保険」から漏れ落ちてしまっている人たちに対してどう対処すればよいのか。これが冒頭でも語られている、本書の大きな問題意識だ。

 社会保険の未納問題がなぜ生じているのか、そして未納がなぜ問題なのか。生じている理由はいろいろ考えられるし、未納の帰結も、年金と健康保険とでは異なる。そのため、漠然とは考えていても、その詳細を答えるのはなかなか難しい。

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