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週刊エコノミスト Online 編集後記

浜田健太郎/大堀達也

編集部から

「チャレンジだ」「ストレッチしろ」。粉飾決算を主導した東芝の旧経営陣は外来語を連発した。正しく翻訳すると「不正を恐れるな」「収益を水増しせよ」だ。日本語で言うわけにもいかず、“英語の浄化”が必要だったのだろう。

 日本社会には外来語や頭字語があふれている。「エンゲージメント」(働きがい)、「ダイバーシティー」(多様性)、「SDGs」(持続可能な開発目標)など。概念は立派でも母語で咀嚼(そしゃく)しないと本末転倒になる。かつて東芝は、コーポレートガバナンス(企業統治)先進企業と称賛された時期があったのだ。

 新型コロナウイルスをめぐっても外来語が多用されている。「クラスター」(感染者集団)、「オーバーシュート」(感染者の爆発的急増)、「ロックダウン」(都市封鎖)など。言葉を生業(なりわい)とする者ならば、為政者の意図に神経を研ぎ澄ます必要がある。

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