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投資・運用 新型コロナの猛威

原油安と銀行経営 1バレル=20ドルで与信費用 2000億円超に拡大も=大槻奈那

(出所)ブルームバーグより筆者作成
(出所)ブルームバーグより筆者作成

 新型コロナウイルス禍が原油安に追い打ちをかけている。原油価格は、この1カ月で50%程度下落し、1バレル=20~30ドルという2000年代初頭以来の安値圏で推移している。原油と競合するシェールオイルの生産量もこれに伴い急減するなど、原油の下落は、エネルギー業界全体に波紋を呼んでいる。

 世界のエネルギー関連の総投資額は、200兆円(1・8兆ドル)にも上る。これらに対する日本のメガバンクの与信残高は合計で約20兆円となっている(18年9月時点推定)。

 当然ながら、原油価格が下落すれば、これらの企業の売り上げは悪化する。特に気がかりなのは、プロジェクト・ファイナンスだ。石油精製所などの大規模設備は、複数の出資者が特別目的会社を作って資金を調達するのが一般的だ。これらは、プロジェクトから上がるキャッシュフローだけで元利金を返済するため、大企業に比べてリスクが高い。

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