原油 世界最大企業のサウジアラムコ 上場後の初決算で純利益9.7兆円 原油価格暴落で…=岩間剛一
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上場後の初決算で純利益9・7兆円 原油価格暴落で今期は8割減も
サウジアラビア国営石油企業のサウジアラムコが3月15日、2019年12月期決算を発表した。昨年12月にサウジ国内証券取引所タダウルへ上場後、初の決算発表であり、純利益は前期比20・6%減でも882億ドル(約9兆7000億円)と世界最大の高収益企業であることを見せつけた(表)。ただ、足元では原油価格が1バレル=20ドル前後まで急落しており、この価格水準が今後も続けばアラムコの業績だけでなくサウジ財政にも強烈な逆風となる。
アラムコの19年12月期の純利益が減益となったのは、19年にアラムコが販売した原油の平均価格が1バレル=64・6ドルと、前年に比べ7・71%下落したことに加え、サウジがOPEC(石油輸出国機構)の盟主として、率先して減産を実施したことによる。また、19年9月にはアラムコの石油施設が無人機などによる攻撃を受け、石油生産能力の半分を一時的に失ったことも影響した。とはいえ、純利益の水準は米アップル(1…
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週刊エコノミスト
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