週刊エコノミスト Online編集後記

種市房子/市川明代

編集部から

 滋賀県の病院での患者死亡を巡って、県警に逮捕された元看護助手が無罪判決を受けた。判決後最初の県警本部長の定例会見を前に問題が起きた。地元記者が無罪判決に関する質問を県警広報官室に事前通告したところ、関連質問を拒否されたのだ。

 警察庁官僚のこの本部長は、私が毎日新聞で赴任した茨城県の県警捜査2課長も務めた。捜査員からは「歴代のキャリア2課長より腹がすわっている」との評判。幹部職員として危機対応の訓練を受けていることも勘案すると、本部長は無罪判決の質問が出ても答えるぐらいの器量はあったのではないか。実際、会見では、広報官の制止を振り切って記者が本部長に判決に関する質問をしたのに対して、答弁拒否はしなかった。上役や組織を守ろうと余計な動きをして、かえって対応のまずさが露呈する「残念な広報」の典型を見た。

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