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週刊エコノミスト Online 鎌田浩毅の役に立つ地学

産業の「ビタミン」 レアメタルが偏在するワケ/3 

中国で作られたネオジムのインゴット (Bloomberg)
中国で作られたネオジムのインゴット (Bloomberg)

 鉱物資源が世界のハイテク産業に大きな影響を与えている。いま話題の電気自動車(EV)など次世代自動車には多種類の希少金属(レアメタル)が使われるが、その安定供給には課題が山積している。今回は「産業のビタミン」と呼ばれるレアメタルの地学を見ていこう。

 レアメタルはその名の通り埋蔵量が少なく、ハイテク製品に不可欠な金属を指す。クロム、マンガン、インジウムなど30元素と、レアアース(希土類)一つを合わせた31種類の金属が、経済産業省によってレアメタルと定義された。このうちレアアースは17元素の総称で、レアメタルでは1種類とカウントされる。化学的な性質が類似するため、レアメタル一つとして扱われる。

 レアアースの中身は、ランタン、ネオジムなどランタノイドと呼ばれる15元素に、イットリウム、スカンジウムの2元素を加えた合計17元素である。世の中にはレアメタルとレアアースは異なる物質のような誤解があるが、レアアースはレアメタルの一部なので、一緒に理解すればよい。いずれも合金や触媒の添加物として必須の物質で、「産業の生命線」を握っていると言っても過言ではない。

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