新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 闘論席

片山杜秀の闘論席

撮影 川平愛
撮影 川平愛

 平安貴族は、穢(けが)れを遠ざけることに神経をとがらせた。人の死体、人の死んだ場所、流産をした女性とその家、人の血の流れた場所、動物の死体などは、平安時代には穢れていると認識された。

 穢れたらどうするか。祓(はら)い清めなくてはいけない。例えば、人の死んだ家なら30日間家は閉じられ、その家の人は隔離された。犬や牛の変死した場所は5日間、立ち入り禁止になった。

 また、平安時代に穢れは感染するとされた。感染するのは甲乙丙(1~3次感染)までで、丁(4番目)ならまず大丈夫という、判定の基準があった。天慶4(941)年の秋のことである。先帝醍醐天皇の女御(にょうご)、源和子(みなもとのわし)の家で流産した者があった。それを知らずに皇族の佐時王(すけときおう)が同家を訪ね、そのあと不用意にも二条の陽成(ようぜい)院という朝廷の建物に出向いた。その日、たまたま陽…

残り490文字(全文871文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事