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新型コロナウイルスを指定感染症から外すべきだ=小林よしのり(漫画家)

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 新型コロナウイルス(新コロ)感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されたが、次は直ちに新コロ感染症を指定感染症から外すべきである。

 そもそも新コロは「日本では」そんなに恐れるほどのウイルスではなかったのだ。緊急事態宣言が全面解除された5月25日時点の厚生労働省の発表では、累計感染者数が1万6581人、死亡者数830人だった。

 毎年、インフルエンザは約1000万人に感染し、直接死で約3000人、関連死を合わせると約1万人の死者を出していると言われており、例年に比べて流行しなかったとされる今シーズンでも、ピーク時には毎週500人のペースで死者を出していた。新コロの死者は、約4カ月で830人である。

 ワクチンや治療薬があってもインフルは毎年圧倒的な猛威を振るっており、新コロ程度で緊急事態宣言を出すくらいなら、インフルでも毎年緊急事態宣言を出さなければいけないはずだ。マスコミが注目しないから、誰も気にも留めないだけなのだ。新コロは「日本では」パンデミックではなく、「インフォデミック」(情報の急拡散)である。マスコミが「日本では」インフルよりも大したことのないウイルスを「恐怖の大魔王」のように仕立て上げたのだ。

 日本人の死亡者数が少なかった原因については諸説あるが、清潔感と自然免疫の強靭(きょうじん)さが一番の理由だろう。インフルに用心して手洗いを頻繁にしていれば、ついでに新コロも撃退できる。新コロの実効再生産数を世界標準で考えてはならない。「日本では」これが減少するようになっているのだ。

 新コロ感染症を指定感染症から外して、インフルと同様に一般の医療機関で診療を受けられるようにさえすれば、第2波がやってきても医療崩壊になる心配はなくなるのである。

(小林よしのり・漫画家)


 本欄は、池谷裕二(脳研究者)、片山杜秀(評論家)、小林よしのり(漫画家)、古賀茂明(元経済産業省官僚)の4氏が交代で執筆します。

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