カリフォルニア がん治療の技術革新進む=二村晶子
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米国では毎年、がん分野の代表的な学会「ASCO(米国臨床腫瘍学会)」が開催される。本稿は今年の会期(5月29〜31日の3日)前に執筆しているが、すでにブレークスルーとなる研究内容が先駆けて発表されている。話題は、カリフォルニア州南サンフランシスコに拠点を置くアロジーン社が発表した他人の細胞(他家細胞)を活用する「CAR─T(カーティー)療法」の臨床試験だ。
最先端のがん免疫療法であるCAR─T療法は、白血病などの血液がんに有効とされ、患者から採取した末梢(まっしょう)血リンパ球(自家細胞)にCAR(キメラ抗原受容体細胞)遺伝子を導入し、増幅培養した後に体内へ戻す。しかし、時間がかかりコストも高いのがネックだ。一方、他家細胞を使う方法は時間とコストを抑えることができるため、CAR─T療法の普及にもつながる。今回の発表は臨床試験の早期段階で、以降は承認…
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週刊エコノミスト
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