激変する産業地図 百貨店 脱過剰消費で衣料が壊滅=小島健輔
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百貨店の主力は衣料品だ。ピークの1991年に売り上げの40・4%を占め、2019年には29・3%までシェアを落としたが、いまだ食料品の27・7%を上回る。商品を供給する百貨店アパレルは、コロナ以前から百貨店取引コストが肥大して割高になり、顧客が手ごろな駅ビルやショッピングセンターに逃げ出して業績が落ち込んでいた。長期休業で売り上げが激減して大量の在庫を抱え、秋冬商品を仕込む資金にも事欠く状況に追い詰められている。
筆者は、コロナ終息後も人々のライフスタイルや消費姿勢は元に戻らないと考える。過剰消費の現代文明がコロナで緊急停止させられ、ポスト・アポカリプス(文明破綻後)の世界を垣間見てしまったのだから、少なからぬ人々がエシカル(倫理的)な消費を志向することになるだろう。
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週刊エコノミスト
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