歴史に学ぶ景気回復のタイミング=愛宕伸康
有料記事
2月下旬からコロナショックで暴落した日経平均株価とニューヨークダウ(ダウ工業株30種平均)は、3月下旬に切り返した後、2カ月ほどで下げ幅の6割程度を埋め、6月8日には暴落が始まる直前の水準から数%のところまで回復した。
ハイペースの回復は、多くの企業が売り上げの落ち込みに四苦八苦している現実からかけ離れた印象を受ける。果たして、政府・中央銀行のなりふり構わぬ感染症対策が過剰な期待を生んでいるだけの「偽りの夜明け」なのか。
全米経済研究所(NBER)は、今年の2月が米国景気のピークだったと発表した。2009年6月から始まった過去最長の景気拡大は10年8カ月で終了し、現在、米国は新型コロナウイルスによるパンデミック(感染症の世界的大流行)・リセッションに入って5カ月目ということになる(図1)。日本でも西村康稔経済再生担当相の5月18日の記者会見の内容から、景気の「山」と「谷」を検討する景気動向指数研究会が今夏にも開催…
残り645文字(全文1058文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める