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経済・企業 2020年後半 日本・世界経済大展望

中国 「独り勝ち」はあり得ず=関辰一

 実需を伴わない生産拡大など気がかりな動きはあるが、中国経済は世界から見ても速いスピードで回復している。中国政府は2月に新型コロナウイルスの感染がピークアウトしたと判断するとすぐ、企業活動の再開を指示。指示を受けた企業が全国各地で工場の操業を再開し、3月には工業生産が前年並みの水準まで回復した。

 これにより、仕事を失っていた出稼ぎ労働者約5000万人のうち約3500万人の職場復帰に成功。企業への銀行融資の拡大措置などと相まって、企業倒産の急増、雇用悪化、消費減少という負の連鎖を廻避することができた。

 いち早く回復をみせた中国経済だが、今後を展望すると、感染対策などで活動に制限がある中では成長ペースは鈍く、コロナ前の成長トレンドに戻ることは難しいだろう。まず、実需を伴わない在庫が大きく積み上がっているため、今後は生産抑制の動きが発生する見込みだ。実際、7月に入り、6大電力会社の石炭消費量は再び前年水準を下回るようになった。これは、工場の操業率が低下していることを示唆するものだ。

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