新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 2020年後半 日本・世界経済大展望

インド 不良債権、バッタに中国 経済脅かす新たな問題=西濱徹

中国と国境紛争が再燃している(Bloomberg)
中国と国境紛争が再燃している(Bloomberg)

 インド経済は、国有銀行を中心とする不良債権問題を発端に資金繰りが悪化し、経済成長のけん引役となる家計消費など内需の足かせとなる展開が続いている。足元では新型コロナウイルスの感染が拡大したため、モディ政権は準備不足にもかかわらず、全土を対象にした外出禁止令に動いた。その後、経済への悪影響を懸念し、制限解除に動いたが、こうした対応が事態収束を困難にする可能性がある。感染者数は7月中旬時点で100万人を突破し、都市部から農村など地方に感染が広がった。農村部は都市部に比べて医療インフラが脆弱(ぜいじゃく)なため、事態収束に時間を要することが懸念される。

 モディ政権は現在、巨額の財政出動を行うほか、中央銀行も金融緩和や企業に対する支払い猶予(モラトリアム)を実施するなど、資金繰り支援を通じた景気下支えに動いている。経済の制限解除の動きを反映して企業マインドも底打ちし、インド経済は最悪期を脱しつつある。しかし、コロナ禍で先行きが見通せない中で経済活動が本調子に戻るには、相当の時間を要する可能性が高い。さらにインドは経常赤字と財政赤字の「双子の赤字」…

残り562文字(全文1038文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事