投資・運用コロナ激変 不動産

低利が支える現物価格 マネーは物流系へ=桑子かつ代

 2020年初、世界主要都市で高値圏で推移していた不動産価格。市況反落のタイミングを探るさなかでコロナショックが起こった。急激な景気悪化で金融市場は下落、今後不動産の現物価格も値崩れするとの見方が当初広がったものの、今夏に暴落には至っていない。

 国内不動産の投資運用担当者は「リーマン・ショック(08年)時のような、どんどん値下がりするような感じではない。不動産の現物価格は下がっていない。むしろ下がれば、買いに向かおうとする強気の投資家もいる」と明かす。低金利が進む中で、利回りを稼げる投資先が不動産以外にないという状況が背景にあるためだ。

 現物不動産に投資するファンドへの出資を数日間検討していると、その間に競合相手に先を越されるケースがあるという。オフィス縮小やホテル休業などマイナス材料が続く中でも、売りが売りを呼ぶような事態にはなっていない。「もう底値なのか、まだ底値があるのか判断が難しいが、楽観している」(同担当者)。

残り1261文字(全文1677文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事