低利が支える現物価格 マネーは物流系へ=桑子かつ代
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2020年初、世界主要都市で高値圏で推移していた不動産価格。市況反落のタイミングを探るさなかでコロナショックが起こった。急激な景気悪化で金融市場は下落、今後不動産の現物価格も値崩れするとの見方が当初広がったものの、今夏に暴落には至っていない。
国内不動産の投資運用担当者は「リーマン・ショック(08年)時のような、どんどん値下がりするような感じではない。不動産の現物価格は下がっていない。むしろ下がれば、買いに向かおうとする強気の投資家もいる」と明かす。低金利が進む中で、利回りを稼げる投資先が不動産以外にないという状況が背景にあるためだ。
現物不動産に投資するファンドへの出資を数日間検討していると、その間に競合相手に先を越されるケースがあるという。オフィス縮小やホテル休業などマイナス材料が続く中でも、売りが売りを呼ぶような事態にはなっていない。「もう底値なのか、まだ底値があるのか判断が難しいが、楽観している」(同担当者)。
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週刊エコノミスト
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