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週刊エコノミスト Online 闘論席

片山杜秀の闘論席

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 政権には終わりがある。問題は終わり方だ。潔い首相もいる。潮時を見極め自ら退く。だが、まだやれると勘違いする首相もいる。童話の「裸の王様」が長年愛される理由は、権力者とは長く居座るほどに錯覚を深めるものだという真理を言い当てているからだろう。

 なら、誰かがやめさせるしかない。昔の自民党には潮時を迎えた首相を交代させる力があった。力の源は派閥抗争だったろう。各派閥の長は党総裁になりたいからこそ派閥を率いた。派閥に所属する議員は親分に忠義を尽くし、他派閥から出ている首相の賞味期限が切れてきたと思ったら、首相の肩たたきを始める。自派閥の親分が現首相で、そろそろ引き時と見えたら、跡目を狙う。

 派閥の求心力はどこから生まれていたか。選挙資金だろう。親分が用意し、子分は恩義を感じて奉公する。しかし、そのお金には筋のよくないものも入りがち。金権政治と呼ばれた。その打破が叫ばれ、政治資金の透明化が求められて、私的ルートによる資金作りに長(た)けた多くの有力政治家が失脚し、政党助成金制度が生まれ、選挙資金は派閥の長よりも党が配るようになった。ならば派閥はもう名ばかりで、子分たちの真の親分は派閥…

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