経済・企業コロナ時代 ものづくり成長企業

注目企業3 素材 東洋合成、ADEKA、住ベ デバイス需要が“川上”に波及=広木功

台湾TSMCのウエハー(Bloomberg)
台湾TSMCのウエハー(Bloomberg)

 マテリアル(素材)関連業界は新型コロナ禍と米中ハイテク摩擦の影響を強く受けて収益が悪化している。しかし逆風の中で成長投資を敢行するところもあり、明暗がはっきりしてきた。

 好調を持続しているのは半導体をはじめとする電子デバイス製造用の最先端材料であり、5G(第5世代移動通信システム)やテレワーク関連機器、データセンターへの旺盛な投資が追い風になっている。逆に需要が激減しているのが自動車をはじめとするモビリティー分野であり、コロナ対策で人の移動がグローバルに制限された影響が“川上”のマテリアル業界にまで及んでいる。

 高成長を期待していた内装材やタイヤ、樹脂成形品、ガラスなど、自動車や航空機製造向け部材の売り上げ減を補うためにも、三菱ケミカルホールディングス(HD)や住友化学、三井化学をはじめとする化学大手は電子デバイス部材への投資を拡大している。日立化成を統合したばかりの昭和電工も電子デバイス向け特殊ガスや高純度薬剤をさらに強化する。

残り1983文字(全文2405文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事