桑子かつ代/市川明代
有料記事
編集部から
新型コロナウイルス感染防止の非日常生活が日常化している。ずっと前からスーパーのレジでは間隔を空けて並んでいたような気がする。しかし、どうしても譲れない部分がある。
仕事帰りに週1回通うピアノ教室はコロナ禍で様変わりした。1人のレッスンが終わるたびに先生がピアノの鍵盤を消毒して布で拭き取る。フェースシールドを付けて指導をする先生と私との間には、ビニールカーテン。防音設備のある狭い教室は「密」になるため仕方がないが、居心地が悪い。
そんなある日、気持ちを揺さぶられる練習曲に巡り会った。映画「サウンド・オブ・ミュージック」のオープニングシーンの曲で、低空飛行から一気に上昇気流に乗ったような開放感。ビニールカーテン越しの先生も満面の笑顔だ。音楽のパワーはすごい、コロナがどうした、という気持ちになった。
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週刊エコノミスト
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