金価格に影響大 実質金利のマイナス継続 米金融引き締めは当分先=鈴木敏之
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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米国の金融政策は迅速に動いた。米連邦準備制度理事会(FRB)は、3月3日に0・5%の緊急利下げをし、3月15日には臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1・0%幅の追加利下げに踏み切った。政策金利(FF金利)の誘導目標を0〜0・25%に設定し、実質ゼロ金利政策に約4年ぶりに復帰した。この時点で、米国の金融政策は金利が物価上昇率を下回る「マイナス実質金利政策」に突入した。
このマイナス実質金利の金融政策は、その後の資産価格形成に影響を与えている。ナスダック株価指数、S&P500株価指数は、新型コロナ感染拡大で一時、大きく落ち込んだが、足元では史上最高値を更新するまで回復している。また、金価格の上昇が市場の注目を集め、市場関係者の間ではマイナス実質金利政策が続くならば金をポートフォリオ(運用資産の配分)から外せないと強く認識されている。
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週刊エコノミスト
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