同時進行する株高・金高の原動力=渡辺浩志
有料記事
金価格の上昇が続いている。その最大の要因は、財政・金融政策の協調(財政ファイナンス)による実質金利の低下にある。
コロナ禍に際し、政府は拡張財政を行い、米連邦準備制度理事会(FRB)は国債を無制限に買い入れてきた。結果、米国の名目金利は横ばい圏にとどまる一方、通貨供給量の増加でインフレ期待が刺激され、実質金利(=名目金利−期待インフレ率)が低下した。
金価格とは、金とドルの交換レートであるから、ドルの価値と表裏一体だ。ドルは名目金利の分だけ持ち分が増え、インフレの分だけ価値が下がる。そのため名目金利とインフレ率の差である実質金利が下がれば、ドルの価値は下がり、金の価値が上がる。
残り781文字(全文1074文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める