上昇が期待される持ち合い解消銘柄=阿部健児
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日本企業の業績は、コロナ禍により大幅に悪化している。TOPIX(東証株価指数)採用企業の2020年4~6月期決算では、売上高は前年同期比15・4%減、当期利益は同56・3%減となった。当期利益の減少はキャッシュフロー(CF)の悪化要因となる。四半期開示は任意のため集計対象は限られるが、TOPIX採用企業(除く金融等)の四半期CF計算書からは、営業CF、投資CFともに前年同期から減少しフリーキャッシュフロー(FCF)が減少した一方、財務CFの急増が確認された。
投資CFの観点からは、政策保有株式(持ち合い株)売却による投資回収も一つの有力なキャッシュ調達手段である。例えば、JFEホールディングスは4〜6月期決算発表と共に開示したIR資料における「キャッシュフロー対策の進捗(しんちょく)」の項目で「政策保有株式:原則保有しない方針のもと売却を順次推進」と示した。また、不二製油グループ本社は決算短信において、「政策保有株式の更なる削減等」により、CFをコン…
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週刊エコノミスト
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