米中 対立と相互依存の「冷和」時代 非常時の民主主義の構築を=呉軍華
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「新冷戦」や「冷戦2・0」といった言葉が論壇をにぎわせている。改めて強調するまでもないが、米国と旧ソ連の間で展開された冷戦になぞらえて悪化の一途をたどる米中関係を描こうとする論調である。
冷戦よりも「冷和」
つい最近まで、米中あつれきの激化、なかでも米国の対中政策の強硬化の原因をポピュリズムに迎合し、貿易の不均衡を執拗(しつよう)に問題視するトランプ大統領の個人的要素に追い求める声が大きかった。これに比して、新冷戦や冷戦2・0で盛り上がった論調は、米中関係の価値観・制度的競争の側面に注目しているために、米中対立の本質に、より迫るアプローチと評価してよかろう。
しかしそのまま、米中関係の現状を冷戦と定義するのはうなずけない。政治や軍事といった分野での米中対立が冷戦時代の米ソ対立並み、ひいてはそれ以上根深い構造を抱えていながらも、米中間で経済を中心に相互依存の「和」がなお根強く存続している。こうした実態を踏まえて、冷戦よりも「冷和」が米中関係の本質をより的確にとらえるコンセプトだと、筆者は考える。
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週刊エコノミスト
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