中東2 バイデン大統領誕生前に 米国のイラン核合意復帰を阻止=鈴木一人
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8月13日、突如発表されたイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の和平協定に向けての合意は、世界中を驚かせ、「歴史的な大転換」などと報じられた。1948年のイスラエル建国以来続いてきたアラブ諸国との対立は、4度にわたる中東戦争の結果、エジプトとは79年に、またヨルダンとは94年に国交を回復したが、その他のアラブ諸国はイスラエルの存在すら認めない立場をとってきた。
UAEの建国は71年と第4次中東戦争の直前であり、イスラエルと直接戦ったわけではなく、アラブ諸国の一員として対立するという立場上の問題であり、両国の間の歴史的な対立の記憶は薄い。国境を接しているわけでもないため、互いに直接的な脅威とはなっておらず、その意味では和平合意を結ぶことに大きな支障があるわけではない。
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週刊エコノミスト
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