東は送電、西は発電の新社構想 関電、中部電は北陸電に食指か=和田肇
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日本の大手電力会社9社(沖縄電力除く)とJパワーは今年4月、1995年から始まった電力システム改革の総仕上げとして、改正電気事業法に基づく発送電分離(法的分離)を実施した。
関係者の間では、発送電分離を契機として51年に現在の9電力体制(沖縄電力除く)が発足して以来の電力業界大再編が起きるとの見方が強まっている。電気事業制度に詳しい日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一研究理事は「発送電分離を契機に(再編の)可能性はある」と指摘する。
発送電分離は、電力会社が発電から小売りまで垂直一貫で独占してきた事業から送配電事業を分離する。発電事業への新規参入は比較的容易だが、送配電の管理は他の民間会社にスキルがないため、新規参入は現状では困難。そこで「送配電」は共通のインフラとして切り離し、発電・電力小売りに自由な参入を認め価格競争を起こせば、電気料金の値下げにつながるとして、90年代から一部の産業界を中心に要望が強まっていた。しかし、…
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週刊エコノミスト
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