北條一浩/桐山友一
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編集部から
出版業界では今、究極の「小」版元である「ひとり出版社」が元気だ。幻の名著の発掘・復刊で話題を呼んだ夏葉社(東京)など、ベストセラーとは縁がないものの、個性際立つ少部数出版で着実に重版し、自分と家族が生活できるだけの利益をはじき出している。
また大手は大手で、人気マンガの連載を持つ出版社は電子書籍の売り上げが絶好調。休校状態かつ大勢で集まるのもはばかられ、若年層が引きこもりがちになる新型コロナウイルス禍の状況は、むしろ追い風になった。
そんな中、センスのみで押し切るわけにもいかず、メガヒット商品も持たない中規模出版事業はいかにも苦しい。しかし、ポピュリズムでもマニアックでもない、良質の出版文化は「中」からこそ生まれてきたはずである。ピンチの今こそ新たなアイデアと努力が求められる。自戒をこめて、ここに記したい。
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週刊エコノミスト
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