FRB疾走とECB追随の行き着く先=渡辺浩志
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米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の枠組みを変更し、2%超のインフレを許容することを決めた。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用の最大化と2%超のインフレを達成するまで、緩和的な金融政策を維持することを表明した。
2%超のインフレ達成には相応の景気の過熱が必要だ。だが、コロナ禍の下でそのような高圧経済の実現は容易ではなく、財政・金融政策の協調、いわゆる財政ファイナンスの強化が不可欠となる。
大統領選が迫るなか、米議会の追加経済対策協議は難航している。だが、現行の対策の失効による「財政の崖」を埋めるため、大規模な追加策は早晩実施されよう。これで国債増発が確定すれば、FRBは国債購入を増やして金利上昇圧力をねじ伏せることになる。財政ファイナンスが強化されれば、名目金利の上昇は抑えられる一方、インフレ期待は高まる。結果、実質金利はもう一段低下し、更なるドル安・米株高を招こう。
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週刊エコノミスト
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