ドイツ 進化を続ける「プレッツェル」=柿添紘光
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ドイツでビールのお供として定番なのが、ひねりを加えた形が特徴のプレッツェルだ。小さなスナックタイプよりも、手のひらサイズのパンタイプのものが一般的で、茶色い艶のある皮は、焼く直前に水酸化ナトリウム水溶液を振りかけることでできあがる。その出自には諸説あるが、掃除目的で用意していたアルカリ性溶液に、たまたまパン生地が落ちたという説があり、すぐに焼かないと主人に大目玉を食らってしまう職人の焦り具合が目に浮かぶ。
しかし、この失敗作と思われたパンは意外にも主人に好評で、今や国内にとどまらず、世界中で愛されるようになった。パン屋はもとより、駅の売店やサッカースタジアムでも販売されている。形もさまざまに進化していて、スティックパンのような丸く細長いもの、クロワッサンを模してふんわりと焼き上げたもの、具材も焦がしチーズをのせたものやベーグルサンドのようにレタスやハムを挟んだものもある。最近では、生地自体をカラフ…
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週刊エコノミスト
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