教養・歴史書評

「緩く」遊びつつも深い ユニークな『老子』訳解書=加藤徹

     古代中国の人物・老子は、実在すら疑われるほど謎に満ちている。彼の著書『老子』は、現実社会の激動と一線を画し、内省的な思索をひょうひょうと説く哲学書だ。山田史生『哲学として読む老子 全訳』(トランスビュー、2500円)は、弘前大学教授で中国思想の専門家である著者によるユニークな訳解書だ。

     例えば、『老子』第80章で、素朴なユートピア「小国寡民」(小さな国家の少ない人民)を説くくだりを、著者はこう訳す。

    「いろんな便利な道具があってもそれを使わない(ですむ)ようにさせ、ひとびとにみずからの生命を大切にさせ、遠くの土地へと移住しない(ですむ)ようにさせる」「ひとびとは年老いて死ぬまで(自国におちついて他国とのあいだを)往(ゆ)き来することはない」

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