週刊エコノミスト Online闘論席

池谷裕二の闘論席

撮影 梅村直承
撮影 梅村直承

 AI(人工知能)が人の能力を凌駕(りょうが)することをシンギュラリティーという。AIが人類を家畜化するSF的な未来像は、一般受けは抜群だが、専門家らからはさほど信じられていない。とはいえ、AIが偏見や差別などの不適切な挙動を示す可能性は確かにある。

 AIブームをけん引するディープラーニング(深層学習)は、画像認識の分野でとくに成功している。その躍進は2012年のグーグル社の発表が発端だ。ネット上の画像1000万枚をランダムにAIに提示したところ、ネコなどの対象を自動で検出した。従来のAIは設計者が「ネコとはこういうものだ」と明示的に教えてやらなければ学習できなかったのに対し、ディープラーニングはそうした教育は必要なく、自発的に学習する点で画期…

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