ブルデューがあぶりだす「趣味」と社会構造の関係=荻上チキ
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テレビ番組「NHK 100分de名著」の最新回が、ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』で、担当が社会学者の岸政彦であるということで、発売してすぐテキスト(NHK出版、524円)をkindle版で購入。この回は人気で、各地の書店でも売り切れが相次いでいると聞いた。それも納得。こんなに面白く、読者を語り合いに誘うような本が、話題にならないはずはないなと。
人々がいかなる「趣味」を身につけているか。そのことを丹念に調べたブルデューは、趣味という極めて個人的な選好が、その人の経済階層や親の職業など、社会的な構造と切っても切り離せないことをあぶり出した。人々が獲得してきた慣習(ハビトゥス)は、人生での選択をパターン化させていく。また、似たようなハビトゥスを身につけてきた人たちは、それぞれの「界」で、自分が優位性を獲得するための絶え間なき象徴闘争を行って…
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週刊エコノミスト
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